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12月 09

【Interview】Ver.3

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菅原 秀幸氏

北海学園大学 大学院経営学研究科・経営学部教授(国際経営論)
http://www.sugawaraonline.com/profile/

現在の活動
7年前(2002年)C.K.プラハードの論文を読み、次の研究課題にしようと考えたことがBOPビジネスの研究のスタートでした。当時は、環境関連の研究を行っており、すぐにはBOPをテーマにできませんでしたが、研究課題が落ち着いた5年前に本格的にBOPビジネスの研究をスタートしました。
当時は日本に研究者は見当たらなかったため、最初は海外の研究者に日本人の研究者、日本の事例がないか直接メールで聞いて回りました。「日本の優秀な企業はBOPに参入していないのか?ぜひ教えていただきたい」その答えは「誰も知らないのであれば、あなたがやりなさい」と。そこで、まずは一人で研究をスモールスタートしました。
WorldGlobe2世界最大の問題は”環境”と”貧困”、この2つであると考えており、環境は課題がすでに喚起されており、企業が環境ビジネスに参入していました。そして、次は貧困がメインテーマになると考えていました。しかし、BOPが理解し難い研究のため、助成金・補助金の申請が下りず、更には現地・現場に行く経費も必要で、厳しい状況が4年間続きました。途中で幾度となく、研究を諦めようと考えましたが、去年の暮れあたりから、企業や官公庁からの問い合わせが増加しました。何事も地道に継続することが大切と実感しましたね。

今後のBOPビジネスについて
BOPビジネスは市場じゃないところを市場にしていくので、儲けのセンスや本気度が試される場と感じています。わけがわからないスラム街に入って、ビジネスを行うということは普通ではできない。命をかける覚悟がないとやっていけない。
また、BOPと一言でいっても国や地域はバラけているので、どこかの国にターゲットを絞ることが大切になってきます。バングラディシュ、インドはBOPのラッシュであり、今からBOPビジネスを始めるのであれば、僕だったら、そこを市場に選ばないですね。(起業家が)BOPビジネスをスタートするときには、起業家の持つ原体験はプラスにもマイナスにも働きます。自分の原体験・経験に引きずられることで見えるものも、見えなくなる可能性があるからです。だから、まったく何もないまっさらなところにいって築き上げると、頼るものがないから真剣度が増すし、新しい発想も生まれてくる。BOPビジネスは斬新な発想が重要ですからね。

BOPビジネスのアプローチの方法として、最初からBOPだけをターゲットに絞るのではなく、富裕層・ミドルクラスで収益を確保しながら、(BOP層へ)下がっていく戦略も検討できます。ヤクルトはBOP層にも販売しているが、富裕層も飲んでいる。どんなに高邁なことを言っても、ビジネスは収益源がないと続けることができないのです。

日本国内での動き
12月からJETROが主催する全国へBOPの啓発・普及を目的としたセミナーに講師として参加します。3月末にはF/S調査(8月に経済産業省より公募あり、詳しくはこちら)の発表等も控えておりますので、来年の前半、3月~4月にかけて日本でのBOPビジネスの大きな波がやってくるのでは、と予想しています。

僕のミッションは本業を通じてBOPに貢献することです。つまり、(学者として)研究を通じて、BOPに貢献すること。我々研究者の成果はお金ではなく、企業から、(BOPビジネスの)フィードバックを受け、次の研究へとつなげていくことです。学者はアドバイスをするだけで、実際にはビジネスをやるわけではありません。それぞれが役目をまっとうすることが大切と考えています。

一流の人に会い、フェイストゥフェイスのネットワークを創る
情報は発表された瞬間に価値を失います。情報の波の最先端にのるために、その業界・世界の一流の人とFace to Faceのネットワークを創ることです。その点のネットワークがどこかでつながって、面となり世の中を大きく動かすテコとなります。そして、一流の人に会うためには自分自身を磨かなければいけません。常に自分自身を磨き、光り輝くよう努力することです。

相手の立場に立って考えること
常に「自分が」ではなく、「相手が」の立場になって考えることです。相手の立場に立って、相手が何を望んでいるか、相手にとっての価値を提供することが大切です。

私の好きな仏教の説話があります。
天国と地獄があって、どちらもテーブルを挟んで座り、とても長い箸を使って、ご飯を食べています。天国ではみんなが健康的でにこやかに食べています。地獄では痩せ細り、イライラしています。なぜなら、地獄の人は自分で料理をつかんで、自分で食べようとしますが箸が長すぎて、食べられません。天国の人はお互いが相手が食べたいものを選んであげて、食べさせてあげるのです。
天国と地獄は紙一重で、自分が最初か相手が最初か?です。

サステナブルなビジネスとは?

誰かに親切にしたときに、自分も自然と笑顔になる。すごくシンプルですが、すべてはそこにあります。相手を喜ばせると、黙っていても幸せになるのです。自分たちがやっているビジネスが本当にほかの人の幸せにつながっているのか?誰を幸せにしているのか、それを常にイメージすることです。
自分たちが創り上げているビジネスの向こう側にどんな笑顔があるのだろうかとイメージしながら、組み立てていく。それがサステナブルなビジネスの秘訣であると思います。

常識すべてに疑問を持つ
常識は場所によっても時代によっても違います。第二次世界大戦時代には今とは全く違う価値観がまかり通っていましたし、遠くアフリカのケニアでは日本と違って一夫多妻制が認められているなど、事例をあげればきりがありません。だからこそ、常に常識を疑う姿勢を持つことが新しい発想を生み出すヒントになります。

Different!
Think different!Act different !Be different!
これは私の大学で、ゼミの学生が入ってくるタイミングで、「これが菅原ゼミで学ぶすべてである」と伝えていることです。つまりは、経済の大原則として「少ないものの価値は上がる、多いものの価値は下がる」ということにつながります。

最後に。
一生懸命やっている人は必ず応援してくれる人が出てきます。
最初は半信半疑だけれども、でもやっぱり最後には必ず出てくるのです。
しかし、まずはやってみなければわからない。thinkタンクではなく、doタンクです。
そして、今は小さな光かもしれないが、もっと大きなライトとなって世の中を照らし、周囲の仲間にも火を灯していくようになってください。

~編集後記~

東京にいらしていた中の貴重な隙間時間を頂戴し、菅原教授のお話を伺いました。その話はBOPだけにとどまらず哲学、思考訓練方法にまで及び、夢中になって話しを聞くうちにあっという間に2時間近く過ぎていました。

人一度学ぶところ 己は十度学べ
人十度学ぶところ 己は百度学べ
これを努力精進という
たとえ愚か者であっても その人努力精進したならば
必ず大成することができる
菅原教授のWEBページにある言葉です。doタンクの精神と、”向こう側”へのイマジネーションを大切に、一層精進しよう。そんなモチベーションを掻き立てていただいた取材でした。
ありがとうございます!

株式会社Granma
熊坂 惟





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