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1月 10

もっと貧困軽減に役立つODAを!開発コンサルの現場から~報告~

開発協力と経済 特別講演
「もっと貧困軽減に役立つODAを!開発コンサルの現場から」に参加してまいりました。

私たちがODAに関して抱く疑問や課題について
現場経験の豊富な元アイ・シー・ネット代表の米坂浩昭氏にお話いただきました。

講演概要

Ⅰ.<ODAの歴史>
ODAの目的としての「貧困削減」が枕ことばでなく、真に考えられるようになったのは最近のことである。以前はインフラ整備を通して日本企業の海外進出を促すものだったが、ここ五年ほどで、保健・医療・教育という分野にも広がっている。

Ⅱ.<トリクルダウン[1]は本当に起こるのか>
確かにサブ・サハラアフリカを除いて最貧困層の数は減ってきたが、最貧困層が経済発展の恩恵を受けるには長い時間がかかり、大きな格差を生む。中国沿岸部は成長目覚ましいが、一方で内陸部の少数民族は取り残されている。

Ⅲ.<貧困層を無視していては開発など成り立たない>
援助でハードを作るのは簡単だが、誰が維持・管理するのかが重要なのだ。我々がやるには膨大なコストがかかる。最貧困層も含めた住民の間での理解を得て、「作られるものが住民のもの」であるという意識を生まなければならない。

Ⅳ.<MDGs(Millennium Development Goals)とアマルティア・セン>
MDGsにおいて主導的立場をとりながら不景気になったらさっさとODAを減らす日本政府の無責任さ。セン教授がいうように基礎的教育と医療の充実による人間的発展、人的資本の形成、社会的チャンスの実現が貧困層の生活改善と、長期的経済発展を生む。

Ⅴ.<ODAは貧困削減を目指す制度設計となっているか。6つの「隙間」>
1.資金の隙間;貧困層のニーズに柔軟に対応できる資金協力制度でない。現制度は仕組みに合わせて支援しているのであって、ニーズに合わせて支援できていない。
2.スキームの隙間;技術協力・無償資金協力・有償資金協力といた三つのスキームで相互交流があまりなされておらず、相互に協力できていない。
3.時間の隙間;最貧困層を開発の歯車に乗せていくのには長期的時間が必要。「4年で技術協力を終えてください。」なんて言語道断。形式的に行うことなどできない。
4.空間の隙間;現場主義でない。現地オフィスにいるのでなく、現場へ行くべきだ。
5.人の間の隙間;「顔の見える援助」にこだわって、日本人だけ起用するのでなく、広範な人々(現地人など)の参加が必要だ。
6.こころの隙間;責任感のなさと、お役所的な非効率性。

これからは、国家財政難でODA削減は避けられない。国益も勘案しながら、ゼロベースで制度の再設計が必要だ。プロジェクトの選択と集中、そして形から入るのではなく、実質を見なければならない。

<感想>
やはり現場の視点の重要性を痛感した。「支援するのにはまず、まず彼らと友達にならなければならない」というのは印象的だった。援助でも、ビジネスでもまずは信頼関係を築くことが重要だと教えられた。


[1] トリクルダウン(trickle down)とは徐々に流れ落ちるという意味で、政府のお金を公共事業や福祉などで国民(特に低所得層)に直接配分するのではなく、大企業や富裕層の経済活動を活性化させることによって、富が低所得層に向かって徐々に流れ落ち、国民全体の利益となることを示したものである。 参考:Wikipedia





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