06
2月 10枯れた技術の水平思考とBOP向けプロダクト開発 -1-
横井軍平さんをご存じであろうか?
任天堂株式会社の元開発部長であり、任天堂が世に送り出したゲームの
大半(ファミコン以外)の開発に携わり、影響を与えた人物である。不運にも
若くして、交通事故に巻き込まれ死去されている(1997年)
彼が開発に関わった製品を上げると以下の写真の製品がるある(これもほんの一部)
Wikipedia及びhttp://techon.nikkeibp.co.jp/より画像を引用。
横井氏の哲学に、「枯れた技術の水平思考」という言葉がある。
「ある技術をそのままストレートに活用するのではなくて、別の発想のもとに
活かすということ」
「先端技術を用いた商品は当然コストが高くつく。しかも、そこから生まれる
商品は、多くの場合他社との価格競争になりがちだ。しかし、普及してその
技術が枯れてしまえば、嘘のように低いコストで商品が作れることになる。
そして、その技術の使い道にひとひねりを加えて商品化する」
まずは、「枯れた技術の水平思考」の具体性を明確にするために、著書
「横井軍平ゲーム館」より、”「売れる商品」を作るには”の節で書かれて
いる点をまとめる。本書の詳細については、下部に記載する。
—-
本来、商品開発というのはニーズがあって、それを技術者が聞いて商品化
するというのが普通のパターンだが、ここに大きな落とし穴がある。
技術者には意地があり、ユーザーのニーズを超えて、求めている以上のことを
付け加えてしまう。技術者の遊びになっている。あれをつけても十円しかコスト
アップにならない、これをつけても二十円だということでよせ集まってくると、
べらぼうな金額になり、その上、使い方がわからないという最悪なことになる。
—–
技術者にユーザーが何を求めているかを伝えることは簡単だが、「ユーザー
が何を求めていないか」を探し出すのは非常に難しい。自分なりに判断し、
「ユーザーはこう言っているけど、本当のニーズはこうなんだ」ということを
技術者に説明するインターフェイスの役目をする人間が絶対に必要である。
—-
ユーザーの話を聞いて自分で作っていくと、なんかそこで自分を誇示したい
という気持ちが出てきてしまう。そこでインターフェイスに感覚が優れている人、
センスのある人を立たせて、コントロールさせると効率のいい商品ができる。
—-
自分の企画や技術にほれ込んではいけない。常に自分で企画した商品が
デパートで売っていると考え、それにお金を払って買う気になるかどうかとい
うことを自問自答する
—-
技術者というのは自分の技術をひけらかしたいものだから、最先端技術を
使うということを夢に描いてしまい、売れない商品、高い商品ができてしまう。
値段が下がるまで、待つ。つまり、その技術が枯れるのを待つ。枯れた技術
を水平に考えていく。垂直に考えたら、電卓、電卓のまま終わってしまう。
そこを水平に考えたら何ができるか。そういう利用方法を考えれば、いろい
ろアイディアというものが出てくる
—-
ソニーのウォークマンをみて、すごいと思う。ウォークマンというのは、ソニーの
技術力でしかできないものではないし、他の会社だって、ウォークマンを見さ
えすれば簡単に作ることができたはず。だけど、ウォークマンというアイディア
はソニーしか出せなかったのである。
BOPビジネスにおける製品開発に必要な発想は、
この「枯れた技術の水平思考」にエッセンスが隠されているのではないだろうか?
後編で、BOPビジネスの製品開発に必要なエッセンスと「枯れた技術の水平思考」について、書ければと思います。

横井氏著の「横井軍平ゲーム館」は現在、絶版となっており、プレミアムが付いている。
都内のとある図書館で借りることができます。(必要であれば、ご連絡ください)
