イベント
1st 2月
2010
1/26に開催された第4回BOPビジネス政策研究会に参加して参りました。
当日の配布資料等はこちらからhttp://www.meti.go.jp/committee/materials2/data/g100126aj.html
以下は当日の内容をまとめました。
第4回BOPビジネス政策研究会 平成22年1月26日 主催 経済産業省
会議の流れ
1.BOPビジネス政策研究会 報告書の発表
2.委員の方々から報告書に対するコメント
1. 報告書の概要
<はじめに>
・「ネクスト・ボリュームゾーン」としてのBOP層
・他方で彼らは、多くの社会課題に直面しており、その解決に資する経済協力が必要。
・BOPビジネスは新たなフロンティアであり、それらを開拓するために必要なイノベーションが我が国経済全体の活性化につながる。
・BOPビジネスへの取り組みは、途上国における社会課題の解決を目指す支援組織、NPO/NGO、社会起業家等の関係者にとって、企業の持つ商品・サービス・マネジメント力・ネットワーク・資金等を活用した、それぞれの目的のより効率的かつ持続的な達成に役立ちうる。
<BOPビジネスの位置づけ・BOPビジネスが有する可能性>
・日本の政府の視点からすると、海外市場の創出・拡大、経済の活性化に寄与する一方、途上国の生活課題の改善がさらなる市場の拡大に資する可能性があるとみる。また途上国の市民レベルに日本の存在感を高められることにも期待する。
・我が国企業の視点からすると、リスクはあるが、新たな市場の開拓や将来の市場獲得の布石となり、リバースイノベーションへの期待や中小企業の海外進出のチャンスである。
<我が国企業によるBOPビジネス参入を支援すべき重点分野>
・調査によると、「環境」、「健康」、「農業」、「IT」等への進出希望が多かった。
・全体としてアジアへの進出を企図する企業が多く、次いでアフリカの東部地域を挙げる企業が多かった。
⇒支援の重点分野・地域を絞り込むことは、参入における戦略を立てやすくする反面、対象から漏れた分野・地域でのBOPビジネスの芽を見逃す可能性もあることから、比較的緩やかに対象分野・地域を示すことを基本とする。
・加えて、各分野におけるビジネス活動を下支えする基本的なインフラ整備合わせて支援することにより、BOPビジネスへの取り組みの円滑化を図る。
<BOPビジネス普及拡大に向けた課題と対応策>
・全体的に支援ツール不在の領域があること、支援ツールが存在してもBOPビジネスを対象としていない、または、対応可能な国や分野が限定される等、利便性が低いものも見られ、支援施策が必ずしも十分でない。
・普及・啓発活動の実施やBOP市場の情報獲得支援の拡充、国内外の関連パートナーとのマッチング支援の整備等を含めたトータルパッケージ化した支援を行うために、BOPビジネス推進プラットフォームを組織化する。
2.以下に委員の方々からのコメントをテーマ別にまとめました。
<報告書に対する評価>
・本報告書は今までの会議で話し合われた要素がうまく抽出してあり、また網羅的な情報が入っており、とても良い。
・報告書はきわめて専門家チックになっている。これを国民や企業に理解が得られるように、またBOPへの理解がいかに重要かを伝えられるようにしなければならない。各アクターのニーズに合った資料のまとめがいる。
・官民の連携の重要性だけでなく、NGO・NPO・社会起業家等とのパートナーシップも強調されている点が評価できる。
・NGOからの報告書に対する懸念は「日本の産業界・政府が作る報告書は、現地の視点に欠けているかもしれない。」といことであった。しかし、本報告書には現地の視点を重視する記述が多くあり、懸念は払しょくされた。
<BOPビジネス推進プラットフォームの組織化について>
・多数のアクターを巻き込むアプローチとして重要である。
・BOPビジネスは単一の企業で実施するにはリスクが高い新しいビジネスである。そのために、このような支援の取り組みは意義がある。
・フラットな組織であるという点はメリットもあるが、誰かがイニシアティブをとっていかなければ進まない。経済産業省がそれを担っていくのはどうか?
・このような総合的な支援の取り組みは「BOPビジネス」をオールジャパンでやっていく上で重要だ。
<今後の課題>
・この報告書をどのように世の中へ伝えていくか?経済産業省には政権与党へBOPビジネスの意義を伝え、政治方面へとつなげていってほしい。
・政府の成長戦略の中に「BOPビジネス」を組み込み、政策的優先順位を上げるべきだ。
・BOPビジネスは大企業より、中小・零細企業の方が関心を持つ。そして彼らこそが可能性を持っている。
・日本の中小企業が、リスクを取りながらも海外へ出ていくことの必要性を訴え、そしてBOPビジネスを日本の戦略として位置付けるべきだ。
・実際に現地へ進出し、金銭的トラブル・労働問題等が発生した時、どうやって現地の問題に対処するかを官(経済産業省・外務省を含め)として一体となって考えて頂きたい。
・JICAはBOPビジネス促進制度を立ち上げたが、今後PPP(Public Private Partnership)についての新しい制度も検討中である。
・政権交替で足踏みしているJICAの海外投融資制度 の再開*を急ぐ。
・報告書の完成によって一応の絵図は完成した。今後は定期的なフォローアップが必要で、実際に推進していく上で当初の報告書の考えとどこが違っていたかを検討していかなければならない。
* 発展途上国で事業を行う日本企業が、ODAから融資や出資を受けられるようにするもの。リスクは高いものの現地社会の公益性に資する事業を民間で手がけられるようになる。平成13年に廃止が閣議決定された。
感想
国を挙げてBOPビジネスに取り組もうとしていることに期待感があるとともに、一方で果たして、民間の中で本気でアプローチしていこうとしている企業は多いのだろうか、という疑問がやはり残った。
民間が主導して国に支援を求めるということと、国が支援するから民間がその気になるということ、この二つの間の意識の違いによって、今後日本が「BOPビジネス」をどう捉えるかということに影響を与えると考える。
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