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1月 11世界を変えるデザイン展~その後の人々~VOL.1
さばくで働く人の役に立ちたい!
古谷理彩さん
小学校4年生
世界を変えるデザイン展に来場いただいた方々のその後の変化を追う特集、
「世界を変えるデザイン展~その後の人々~」
記念すべき一人目の取材に協力してくれたのは、小学4年生の古谷理彩さん(以後「理彩ちゃん」)です。
世界を変えるデザイン展のQドラムにインスパイアされ、つくったプロダクト―「さばくで働く!水運車」
理彩ちゃんは、世界を変えるデザイン展にお父さんとお母さんと来てくれました。展示されていたプロダクトの中で、特にQドラムに刺激を受け、砂漠で働く人々の水問題に関心を持ったそうです。
その後、彼女は、「新エネ・太陽電池工作コンクール」に、「さばくで働く!水運車」という作品を応募。見事審査員長特別賞を受賞いたしました!その結果報告を、お父さんがメールくださったことが今回のインタビューのきっかけになりました。
このコンクールでは、「身近」な製品を使い、小学生でも手の届くような「安い」材料で作り、「生活の中で」利用できるような製品を考えます。
これに対し、途上国で求められている製品は、「容易」性に溢れ、「安価」で手に入り、日々の「生活をよりよくする」ものです。この2つには、類似性を感じます。
理彩ちゃんが構想し、工作した「さばくで働く!水運車」は、砂漠の強い太陽光を利用した、世界を変えるデザイン展で展示されていた「Qドラム」をモチーフにした水運車で、砂漠に暮らす人々にとって重労働であった水を運ぶという作業を楽にし、砂漠に暮らす人々の生活をより良くしようとするものでした。
元々は、タイヤそれぞれがタンクであり、池に入っていくと自動的に水を汲み取り、キャップも自動に閉まるものをイメージしていたようですが、形にしていく中で困難となったそうです。
こうして試行錯誤を重ね、実際にソーラーパネルで実際に動く水運車の模型を完成させました。実際に動いている動画を拝見させていただきましたが、子どもの想像力と技術との可能性を垣間見るようで感銘を受けました。
何事も頭で考えることと、行動に移すことは異なります。しかし、大事なのは行動に起こすことです。行動に移して初めてその壁を知ることができます。そして、壁を知ることは発展へのステップでもあるということを小学生に教えられました。
疑問をもつ、話し合う、考える。
また、理彩ちゃんと話している中で思ったことは、私よりも小さな小さな女の子が、貧困に対して、環境に対して、大人に負けないほど真剣に真っ直ぐに考えているということでした。
元々Qドラムのことは知っていたようですが、デザイン展で実物を見、様々な問題を間近で感じ、考えることがあったのでしょう。更に、感心したのは、Qドラムのみならず、多くの大人が未だ無関心な発展途上国の現状を彼女はすでに知っていたということでした。
幼いころから身近な生活では感じることのできない発展途上国の課題に感心があるのは、理彩ちゃんが身近なことから感じる「なぜ?」を、家族で共に考え、話し合っているその家庭環境に帰依すると、ご家族との会話の中で感じました。
このような環境下、普段から、テレビ番組、学校の募金活動、お父さん、こうした日常生活の様々な場面から、発展途上国のことを考えていたようです。
疑問を持つこと、話し合うこと、考えること。
簡単なようで難しいこれら3つのことを、理彩ちゃんは当たり前のように行っているようでした。
この時に感じたことは、
学校ではこうした社会的な問題は学ばないといいます。
現に、小・中・高で、世界情勢に対する問題に言及する教育の時間はほんのわずかです。
幼いうちから世界を考える力、世界に暮らす人々のこと考える力は十分に備わっているのに、環境がそうした芽を摘んでしまっている。つまり、子どもだからわからないのではなく、説明をしないからわからないのだということです。
無意識のうちに、疑問や矛盾に真正面からぶつかることができなくなっているのではないか
インタビューの中で理彩ちゃんから私たちに、こんな質問がありました。
「沢山の人がとても小さいうちに亡くなっちゃうって聞いたんですけど、本当ですか?」
その質問に対し、「本当だよ」と、アフリカ諸国での5歳未満時の死亡率の高さ、妊産婦死亡率の高さに、ついて話すと、
「日本では治せる病気でも死んじゃうって本当ですか?」
「どうしてそんなに早く死んじゃうんですか?」
(手術時の道具の不衛生さに対して)「手術の道具を清潔にすれば治るんですか?」
(伝統儀式による伝染病に対して)「間違ってると教えてもだめなんですか?」
と、真っ直ぐな質問を何度も問いかけてくれました。
こんな質問もありました。
「日本でデザインされたもので、(発展途上国で)実際に必要とされているものってあるんですか?」
この問いに、寝室で利用する、マラリア等を防ぐことのできる蚊帳(住友化学のオリセットネット)の例を採り上げると、
「外に出ちゃったらどうするんですか?」「アフリカの蚊は日本の蚊よりも強いんですか?」「外にいるときの解決方法はないんですか?」「日本の虫よけスプレーは効かないんですか?」
と、次々と質問を投げかけられました。
今まで自分が疑問に感じることなくすんなり受け入れてきた事実に対し、こんなにも多くの疑問が生じることに驚いたと同時に、深く感じたことがありました。
成長し、貧困を感じ、学ぶなかで、様々な疑問や矛盾が生じます。
しかし、大人になっていくにつれて無意識のうちに、そうした疑問や矛盾に真正面からぶつかることができなくなっているのではないかと感じました。
こうして、感情で受け取ったことを直接行動に移すのではなく、頭で変換していくうちに、様々な不安や社会のしがらみに打ち砕かれ、素直に行動に移すことができなくなっているのではないかと考えました。
理彩ちゃんの真っ直ぐな心は、真っ直ぐに行動につながっていました。
自分の感情を行動にうつし、”形”にする
私たちもテレビのドキュメンタリー番組を見たり、貧困に関する本を読んだりして、思うことや考えることがたくさんあります。しかし、その後、その現状を改善しようと、自ら行動に移すことのできる人が果たして何人いるでしょうか。
途上国に暮らす人々の生活やニーズを、「世界を変えるデザイン展」という場所で感じた10歳の少女は、自分のことだけでなく、素直な気持ちで世界の人々のことを考え、実際にそうした人々のためのプロダクトをその手で作りました。
知ること、感じること、考えること。ここまでは多くの人が成すことであります。
しかし、その後の一歩を中々踏み出せない人は、とても多いはずです。
本来、進んでお手本を見せなければならないのは大人であるはずなのに、たった10歳の女の子にお手本を見せられてしまいました。
彼女は「世界を変えるデザイン展」に来たことで、砂漠で働く人の役に立ちたいと考え、彼女なりの今できることをしました。自分の感情を行動に移し、「形」にしました。
皆さんは、「世界を変えるデザイン展」で何を感じ、何を考え、どんなアクションを起こしましたか?
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~その後~の取材にご協力くださる方は、是非ともご連絡ください。
「世界を変えるデザイン展~その後の人々~」レポート隊がお伺いいたします!

