04
1月 10

【Interview】vol.8 FASID

fasid


FASID 国際開発研究センター参与 秋山孝允氏

FASIDのBOPへの取り組み

FASIDは6,70人くらいの組織で、予算の大半は外務省からきています。今度の民主党の仕分けによって、今後が左右される状態にあります。
新聞などでもたまに取り上げられるODAは、どんどん削減される傾向にあります。
最初のFASIDの設立理由は、当時開発援助に関する専門の大学院がなかったのです。日本のODAもどんどん伸びている時期でしたので、それではまずいということで設立されました。FASIDは15年以上いろいろな変遷がありましたが、私が行っているのは、開発の研究、話し合いの場を設けるシンポジウムの開催などです。その中でこの3,4年前から注目しているのがいわゆるBOPです。
中でもFASIDとしては、民間との関わり方にどういった形が考えられるのか、ということです。私自身、途上国の発展に民間セクターの成長が欠かせないと思っていますし。
その中で開いたのが09年11月の国際シンポジウムです。

具体的な着目ポイントは?

日本の場合、民間企業が目を向けているのはアジア、もっというと中国、インドですね。やはり。でも私からすれば、そこら辺は日本が出て行かずともいいのではないか、とも思ってしまいます。彼らはすでに黙っていても成長していきますし。今一番興味を持っているのは、サハラ以南のアフリカですね。
日本の民間企業は、外国と比べて極端に途上国への興味がないです。もちろん税制の問題などもありますが。BOPが民間で興味を持たれているのは、既存の市場が飽和状態にあるから新しい利益を求めてのことであって、開発といった観点はほとんどないのではないか、と思っています。
日本ポリグルの小田会長も言っていましたが、やっぱり開発といった観点を持って、さらにその土地の文化的背景を知って、といった要素がないことには民間企業の参入、成功はないと思います。売るだけではだめですよね。うまく購買力を育てながら、雇用を生み出し、所得を上げながら一緒に育っていかないといけないと思っています。

現場から思うこと

私は途上国に出張することが多く、現地に行っていつも思うのですが、買うものがないんですよね。少なく見積もって両替してもいつもお金が余ってしまう。彼らとしても、ある程度ちゃんとした店があって欲しいものがあれば生産意欲も購買意欲もわくと思うんですが。
アフリカの田舎で所得があがったら何を買いますか?と聞いたことがあります。
何て答えたと思いますか?「サイダー」だそうです。日本も確かに戦後はそうでした。ぼくが小さい頃もサイダーが最高のご馳走でしたからね。彼らにとってのちょっとした贅沢はサイダーなんですよね。その答えを聞くまで想像もつかないですよね。低所得者のためにつくられた、おもしろくて、多少洒落ていて、ちょっとしたお金があれば買いたくなるような商品がない、圧倒的に不足しているんですよね。何にもない。だからこそニーズはある。でも、一方的な売ってなんぼの精神だけでBOPを捉えるのはお互いにとって、やめたほうがいいと思います。

~編集後記~
幼少期が戦争直後だったという秋山氏。その時代とBOPの現状の共通性について少し触れていただきました。その着目点は大変興味深く感じました。国連、世界銀行、FASID、さまざまな角度からキャリアを積み、現場に入り、現在に至る秋山氏のお話からは短時間ではありましたが、イマジネーションが掻き立てられました。





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27
12月 09

JICAセミナー

Eventhttp://www.jica.go.jp/event/index.html
1月18日に大阪で、19日に東京でJICAのBOP関連セミナーがあります。


——————以下、プログラムからの抜粋————-

JICA は現在、開発途上国の低所得者層等が抱える開発課題の改善をもたらしうるビジネス(BOP ビジネス)の
調査研究を実施しています。欧米諸国の企業との連携制度やビジネスモデルの分析、また開発途上国での企業
の取り組みについて調査し、JICA とBOP ビジネスとの連携のあり方について考察してきました。この結果を踏まえ、
JICA は来年度から、BOP ビジネスにかかる新たな制度をスタートさせようと、検討中です。
今般、JICA は本調査研究の成果を広く共有するとともに、BOP ビジネスの浸透・実施促進、また上記新制度の
概要紹介等を目的に、有識者の方々の基調講演、パネル・ディスカッションを含めた公開セミナーを開催します。
BOP ビジネスにご関心をお持ちの企業、業界団体、NGO/NPO、大学等の関係者の皆様におかれましては、
積極的にご参加いただければ幸いです。
日時: 2010 年1 月19 日(火) 14:00~17:00
会場: 国連大学 3F ウ・タント国際会議場(東京都渋谷区神宮前5-53-70)
プログラム:
14:00~14:05 開会挨拶 黒田 篤郎(JICA 理事)
14:05~14:35 基調講演 「途上国の人々に役立つBOPビジネスの可能性」(仮題)
原丈人氏(アライアンスフォーラム財団代表理事)
14:35~14:45 映像資料
14:45~15:00 JICA報告 「BOPビジネス連携制度の概要」 高野 剛(JICA民間連携室 参事役)
15:00~15:15 休憩
15:15~16:35 パネルディスカッション「JICAのBOPビジネス連携制度に対する期待」
アシル・アハメッド氏(九州大学システム情報科学研究院特別准教授)
冨田秀実氏(ソニーCSR部総括部長)
富野岳士氏((特)国際協力NGOセンター事務局次長)
原田勝広氏(日本経済新聞社編集委員)
平野博勝氏(元ヤクルト専務取締役国際本部長)
村田俊一氏(UNDP駐日代表)
ファシリテータ、足達英一郎(日本総合研究所主席研究員)
16:35~17:00 全体質疑応答、閉会挨拶





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11月 09

11/17FASID 「国際開発における日本企業と政府開発援助の連携の可能性

外務省/FASID 国際シンポジウム
「国際開発における日本企業と政府開発援助の連携の可能性」に参加致しました。

【シンポジウム主旨】

直接投資や技術移転を通じた民間企業の途上国の開発において果たす重要な役割と、
新たに注目が集まりつつあるBOPビジネスの展開とBOPビジネスの開発におけるインパクトの両者に注目し、
途上国の開発や貧困削減に資する活動への官民連携の可能性を模索すること。だそう。

途中からにて全体を理解してはいないが、おもしろかった点をメモ。

【YKKグループ 猿丸雅之 取締役副社長ファスニング事業本部長】
テーマ「バングラにおけるジッパー生産」

■59年からNZにて海外でのジッパー生産開始
■先進国での縫製は現在ほぼなく、9割が途上国へ移行
■縫製=労働集約型=発展途上国 → ・大きな投資いらず ・ 安価な労働力

■バングラデータ
・実質経済成長率6,3%
・人口全体5% 約300万人が縫製業従事者
・輸出の大半を衣料品が占める

【朽木昭文氏 日本大学生物資源科学部 国際地域開発学科 元JETRO】
テーマ「産業クラスター政策によるフローチャート・アプローチ」

■80年 タイ東部臨海、キャノン効果(ベトナムの事例)の成功事例
■不均衡発展によるテイクオフファーストの考え方
→後方連関効果の高い産業を発展させるか?外国から誘致するか?(90年代からの考え方)
■第一段階 集積(工業団地、インフラ整備、アンカー企業、関連企業)、第二段階 イノベーション

【北海学園大学 大学院経営学研究科・経営学部教授(国際経営論) 菅原秀幸氏
テーマ「BOPビジネスの潮流は日本企業にあり」

■BOPビジネスとは
企業が本業を通じて貧困社会に貢献すること、民間主導の開発アプローチ
■BOPビジネスの本質
貧困層のニーズ(社会的、個人的)の充足(従来アプローチ)に加え、所得、自立へ資すること
■ヤクルトの成功事例(1日販売本数1640万本、うち約60%が途上国)と、BOP内のレイヤー別ポジション
M(Middle)OP ヤクルトレディ 所得・自立
Upper BOP 愛飲者 ニーズ
Middle BOP 愛飲者 ニーズ
Lower BOP

■成功のための課題
・中核事業としての位置づけ
・BOPビジネス向きの人材の育成・確保
・斬新なパートナーシップの構築

■日本企業のBOPビジネス成功要因
・明確な企業理念
・強い使命感
・長期的視点
・現場志向
・優れた技術・商品・サービス

【日本ポリグル代表取締役会長 小田 兼利氏】
テーマ「BOPビジネスへの挑戦」

■「中小企業の星になる」
■勤勉さ、優しさ、貪欲さを備える中小企業がBOPビジネスを制する
■開発投資額1500万円、現在売り上げ1000万円弱。近々回収の目安
■一番ひどいエリアからスタートした(現在4~5万人が利用)
■一度きれいな水を使うと、シャンプーに、料理に、と転用しはじめる。マーケットの広がり、現地雇用、何よりもいい意味で”欲”を持たせることができる

【株式会社Granma 事業統括ディレクター 熊坂惟 所感】

セミナーで感じたことは2つ。
1つはスピード感の欠如。
欧米先進諸国と比べ、10年程、日本企業はBOPビジネスで遅れをとっているが、日本が「BOPの定義だ」「産官民連携の模索だ」、と議論している間に、欧米ではオランダの大学とデンマークの企業が、実際にいかにプロダクトをデザインするか、ローカライズするか、と前進している。スモールスタート&プロトタイプ。
もう1つは「日本企業はプロダクトイノベーションより、プロセスイノベーションに強みがある」という理論。日本企業がメインプレイヤーとしてグローバル企業と競争・共創するのであれば、プロダクトイノベーションを狙い、生産における「コア技術」に重点を置くべきではないかと考える。日本の自動車、家電メーカーの歴史と今後のBOPビジネスにおいて日本企業が歩む道。引き続き、注目していく。





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