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1月 10【Interview】vol.8 FASID
FASID 国際開発研究センター参与 秋山孝允氏
FASIDのBOPへの取り組み
FASIDは6,70人くらいの組織で、予算の大半は外務省からきています。今度の民主党の仕分けによって、今後が左右される状態にあります。
新聞などでもたまに取り上げられるODAは、どんどん削減される傾向にあります。
最初のFASIDの設立理由は、当時開発援助に関する専門の大学院がなかったのです。日本のODAもどんどん伸びている時期でしたので、それではまずいということで設立されました。FASIDは15年以上いろいろな変遷がありましたが、私が行っているのは、開発の研究、話し合いの場を設けるシンポジウムの開催などです。その中でこの3,4年前から注目しているのがいわゆるBOPです。
中でもFASIDとしては、民間との関わり方にどういった形が考えられるのか、ということです。私自身、途上国の発展に民間セクターの成長が欠かせないと思っていますし。
その中で開いたのが09年11月の国際シンポジウムです。
具体的な着目ポイントは?
日本の場合、民間企業が目を向けているのはアジア、もっというと中国、インドですね。やはり。でも私からすれば、そこら辺は日本が出て行かずともいいのではないか、とも思ってしまいます。彼らはすでに黙っていても成長していきますし。今一番興味を持っているのは、サハラ以南のアフリカですね。
日本の民間企業は、外国と比べて極端に途上国への興味がないです。もちろん税制の問題などもありますが。BOPが民間で興味を持たれているのは、既存の市場が飽和状態にあるから新しい利益を求めてのことであって、開発といった観点はほとんどないのではないか、と思っています。
日本ポリグルの小田会長も言っていましたが、やっぱり開発といった観点を持って、さらにその土地の文化的背景を知って、といった要素がないことには民間企業の参入、成功はないと思います。売るだけではだめですよね。うまく購買力を育てながら、雇用を生み出し、所得を上げながら一緒に育っていかないといけないと思っています。
現場から思うこと
私は途上国に出張することが多く、現地に行っていつも思うのですが、買うものがないんですよね。少なく見積もって両替してもいつもお金が余ってしまう。彼らとしても、ある程度ちゃんとした店があって欲しいものがあれば生産意欲も購買意欲もわくと思うんですが。
アフリカの田舎で所得があがったら何を買いますか?と聞いたことがあります。
何て答えたと思いますか?「サイダー」だそうです。日本も確かに戦後はそうでした。ぼくが小さい頃もサイダーが最高のご馳走でしたからね。彼らにとってのちょっとした贅沢はサイダーなんですよね。その答えを聞くまで想像もつかないですよね。低所得者のためにつくられた、おもしろくて、多少洒落ていて、ちょっとしたお金があれば買いたくなるような商品がない、圧倒的に不足しているんですよね。何にもない。だからこそニーズはある。でも、一方的な売ってなんぼの精神だけでBOPを捉えるのはお互いにとって、やめたほうがいいと思います。
~編集後記~
幼少期が戦争直後だったという秋山氏。その時代とBOPの現状の共通性について少し触れていただきました。その着目点は大変興味深く感じました。国連、世界銀行、FASID、さまざまな角度からキャリアを積み、現場に入り、現在に至る秋山氏のお話からは短時間ではありましたが、イマジネーションが掻き立てられました。
